目次
親子のコミュニケーションってどう取ればいい?
第一にコミュニケーションが重要であることに気づく
親子のコミュニケーションに関して悩んでいる場合は、まず第一に親子のコミュニケーションが重要なことであることに気づくところがスタート地点だと言えます。
親子のコミュニケーションを放置してしまえば、多くの場合、親子の関係性はギクシャクし、お互いに思っていることや考えていることが伝わらず、最悪の場合大きな衝突が発生しわだかまりを生んでしまう可能性が高いです。
受験だけでなく、子供に関わるありとあらゆる全ての事柄が上手くいかなくなってしまう可能性があるので、コミュニケーションの大事さを改めて認識しましょう。
▼コミュニケーション不足による失敗談①
不合格だったケース → フォローが困難となります。 多くのご家庭は不合格の場合、退塾という選択肢を取ることになるでしょう。ここで問題なのは、親が塾に任せっきりにしていた場合です。そうなると親がその後の対応を全面的にしていくこととなりますが、コミュニーケーション不足だと適切なフォローができないのです。 そのような状況であれば、『どういう過程を経て』、『どういうことを学べて』、『どんな人生訓を得られたのか』などを、的確に冷静に説くことは難しいでしょう。 本来は、不合格という『負けのレッテル』などというものは全くもって背負い続ける必要は無いのですが、それを親がうまく(説得力があるように)説明できないのです。 結果として子供は『学習・勉強』というものに対して負の感情を抱くようになってしまいます。更に言えば、子供の努力を身近に感じていない親からすると、『時間とお金を投じた結果が不合格か』ということになり、子供を叱責するなんてことも。そうならないまでも、子供は親が何を考えているかは敏感に感じ取るものなので、関係性の向上を図るのがより難しくなってしまいます。
▼コミュニケーション不足による失敗談②
ケース② 無事合格した場合 → 内弁慶ならぬ外弁慶になりがち。 こちらの方がやっかいだと言えます。塾で学び、自分で知識を得て、親からは干渉されない状況で『勝った』とするのならば、『家庭や親を軽視』するようになりそうなもの。(家庭内では大きな態度、外では控えめという内弁慶状態。) しかしながら、必ずしもそうはならないのです。合格という大きな成功体験を積めて大変素晴らしいことではあるのですが、逆にそれが全て自分の力だと考えるようになり、『周囲の大人(親や塾・学校の先生)』全体を軽視するようになってしまう場合があります。 そこを律して然るべきなのは親なわけですが、『大事な時期に側に寄り添ってくれなかった人間』に心は開かないでしょう。ただ従順なフリをするだけです。 では学習塾などではどうかというと、『自分を支援してくれていた存在ではあるが、所詮は他人』なので、家庭同様に従順なフリはしますが、講師の言葉は心に響きません。 結果として、最も長い時間を過ごすであろう学校で本性を表す(自制が効かない状態)ようになってしまうのです。そうなると、せっかく合格を勝ち取り、良い環境を手にしたはずなのに、自らで学ぶ意思を手放してしまい、ある時にハッと気付くまでは『怠惰で奔放な生活』をするのみになってしまいます。 この時、表面上の態度は良くしつつも、実態としては生産性のある行動や思考をすることをしていないので、『人間的に成長できず、精神的には幼いまま』になってしまいます。
親子のコミュニケーションの取り方
「近過ぎず・遠過ぎず」の視点を保つ
受験の時期に親子のコミュニケーションを上手く取るようになるためには、「近過ぎず・遠過ぎず」の客観的な視点でいることが大事です。
子供との距離感が遠くなってしまうのは、いわゆる「放置」に近しい状態になってしまうので好ましくないのは明らかでしょう。
一方で、子供との距離感が近過ぎてしまうと、親から子への過度な期待や拘束に繋がってしまい、子供自身が自分のためではなく「親のため」に勉強をしてしまうという意識状態になりかねないです。
子供の学習方法や学習ペースをよく観察しながら、必要があれば塾などの第三者と連携していくことを視野に入れましょう。
子供のお手伝いをする感覚を持つ
受験の時期に親子のコミュニケーションを上手く取るようにするには、親が「子供のお手伝いをする感覚」を持つことが大事です。
親は、どうしても子供のやることに口を挟みたくなってしまいがちですが、あまりに口を挟みすぎると、子供のモチベーション低下に繋がってしまいます。
子供がやっていることが明らかに非効率な場合は口を挟んでも良いですが、「ダメ」というニュアンスで伝えるのではなく、「あくまでも提案なんだけど」というような子供に寄り添うニュアンスで伝えてあげるのがベストです。
目標を掲げたりスケジュールを進めていく上で、子供のモチベーションを下げてしまうことが親として最もやってはいけないことなので、言い方や伝え方を意識してみましょう。
話題の比率を意識する
受験の時期に親子のコミュニケーションを上手く取るためには、学習に関する話題とその他の話題が「1:1」になるように意識しましょう。
当たり前ですが、誰でも同じことばかり言われれば、息苦しくなったり嫌悪感を抱いたり、さらにはストレスを溜め込んでしまったりするものです。
「勉強の時間に勉強のことを話し、それ以外の時間ではその場の話題を楽しむ」「息抜きの時間を設ける」というように、時間を決めたりオフ日を設けるなどして、お互いにけじめをつけることが良い手段と言えます。
子供からの相談は絶対に聴く
受験の時期に親子のコミュニケーションを上手く取れるようになる工夫として、子供からの相談はいついかなる時も絶対に聴くということが鉄則として挙げられます。
もし仮に、勉強やそのほか子供の興味ある事柄に関する相談・コミュニケーションを邪険に扱ってしまえば、子供は親に心を開いてくれなくなってしまう可能性が高いです。
ましてや、勉強は好んでやっている人の方が少ない傾向にあるので、勉強のことばかりに口を挟み、子供から発信されるその他の内容を拒絶してしまっては、子供は勉強だけでなく全てにおいてやる気を無くしてしまいます。
「自分が忙しい場合は別の時間で話すことを提案する」「食事を一緒の時間に取るようにし勉強以外の話をする」など、子供にとってストレスを溜めない過ごしやすい環境を作ってあげましょう。
親こそ心に余裕を持つべし
受験の時期に親子のコミュニケーションを取る上で最も重要なのは、「親自身が心と時間に余裕がある状態でいる」ことです。
受験もしくは受験勉強というのは、子供だけが取り組むものではなく、親と子供(または先生や塾の講師など)と一緒に取り組んでいくものでしょう。
多くの場合、受験生本人は精神的にも時間的にも圧迫される経験に適応できていない状態なので、受験生をサポートできる環境をいかに作れるかが重要です。
したがって、親と子供と第三者が心に余裕を持ち、いつでもコミュニケーションを取ることができる状態を作っていくことこそが、受験を突破することができる最大の掟と言えます。